Toyota Crown 2.5 Hybrid RS (2018/8) 前編 その2

  

今度はドアを開けて内装を比較すれば、これはどちらも一目で判る程には違わない。クラウンの内装と言えば欧州車とは完全に別の路線を辿った所謂「演歌調」だったが S210 からは欧州調となり、今回の S220 もそれを踏襲している (写真21) 。因みに S200 ではケバケバのシート表皮と毛足の長いフカフカカーペットが使われていた。

新型のシート表皮は RS の場合、標準がファブリックで RS Advance ではブランノ―ブ+合成皮革となる。なお写真22ではオプション設定の本革シートで比較しているが、ハッキリ言ってどちらもあまり質の良い革とは言い難く、この点では進歩は無いようだ。シートのポジション調整のスイッチも、ベースの樹脂部品が少し変わっているが、基本的には特に変化も無く、まあこれは欧州車でも似たようなモノだ。

写真21
室内は一見したことろでは新旧に大きな違いは感じられない。

S200 ではシート表皮はケバケバ、カーペットは毛足の長いフカフカが使われていた。



写真22
オプションの本革シート同士を比べると、相変わらず革の質は良く無いのは国産車に共通している。


写真23
シート調整は新旧とも世界の標準とも言える場所と形状のスイッチを使用する。

ドアトリムに関してはグレードによってかなり雰囲気が異なり、特に新型の場合は従来のマジェスタまでを統合した事から、上位モデル (G-Executive) では本杢目調パネルやら2トーンのパッドやら、クラウンらしさ満開となっている (写真24) 。これが RS だとドアノブ周辺のパネルすら無く、プラスチッキーな雰囲気でその差は大きい (写真25) 。


写真24
旧マジェスタ相当のG-Executive では如何にもクラウン的豪華さを継承している。


写真25
RS ではプラスチッキーな部分が多く旧アスリートよりも安っぽい。

ダッシュボードの雰囲気は新旧とも共通点を感じるのは、この部分だけはクラウンらしさを譲れないという事か (写真26) 。そのクラウンらしさは特にセンタークラスターの構成がクラウン独特の雰囲気を受け継いでいるからだろう。とは言え、新型は時代の変化を反映してナビ用ディスプレイを天板より上に出す等の進化をしてはいる (写真27) 。

センターコンソールの後端にはお馴染みのリア用エアアウトレットがあるが、新型では少しデザインが変更されている (写真28) 。良く見ると新型は前方に見えるフロントのセンタークラスターのモチーフを表現していて結構拘っている面もある。

写真26
ダッシュボードは先代と共通な雰囲気で、ここはクラウンらしさを捨てていない。


写真27
センタークラスターは一見似ているが、配置はより高位置で視認性を重視している。


写真28
センターコンソール後端のリア用アウトレットは、新型ではセンタークラスターのモチーフを表現している。

今回の新型はクラウンらしさは維持しながらも確実に新しい時代へと進化している、と良い方に解釈しよう。

まあクルマは走ってナンボだから評価は走ってからのお楽しみ、といことで続きは後編にて。

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