Mazda CX-3 20 (2017/8) 前編 その1

  

最近の世界的 SUV ブームにより日本でも徐々に SUV が販売上位に入っている状況で、手頃なサイズと価格のコンパクトタイプは取り分け人気があって、昨年発売されたトヨタのブランニューモデルである C-HR は本年上半期の販売でも第3位という健闘ぶりだ。

このように国産各社も SUV に力を入れていて、マツダの場合もフルスカイアクティブ第一段として SUV の CX-5 を選んだくらいで、CX-5 はその後も好調な売れ行きで昨年の末に FMC で2代目となった。そのマツダの SUV にCX-5 の弟分というべき CX-3 が新たに追加されたのは 2015年で既に2年が経過しているが、今回ガソリンエンジン版が追加 (という事は今まで CX-3 はティーゼルのみだった) された事で今回この試乗記で取り上げる事にした。


写真1
ほぼ同じカテゴリーのトヨタ C-HR は昨年販売開始ですでに販売トップ3入りとなっえいる。


写真2
CX-3 の兄貴分である CX-5 は昨年末に FMC されて2代目となった。

この CX-3 のベースはデミオであり、それならと諸元を比較すると確かにホイールベースは等しいし、トレッド寸法も多少の違いがあるがこれはタイヤサイズとも関係しているので事実上同じ。それ以外でもサスペンション形式等も同じであり、この2車が共通のプラットフォームである事は理解できる。ただし重量は CX-3 の方が 150Kg 程も重く、しかもエンジンはガソリンの場合では 2.0L と 1.3L と排気量 (すなわちパワー&トルク) がマルで違う。ただしデミオには1グレードだけ1 .5L がラインナップされているが、これはマイナーグレードだし、それでも 1.5L だから 2.0L とは大いに違う。

ディーゼル (XD) については双方とも 1.5L ターボを搭載しているが、パワーは同じなのにトルクは大いに異なっている (CX-3:270N-m,デミオ:220N-m) 。そして何よりの違いは価格で、エンジンが同等のXD で比較すると X-3 はデミオより60万円も高い。こうなると単にデミオの SUV 版とは言えない訳で、まあ別のクラスのクルマという事になるだろう。とは言ったが、実はこれが意外にも共通点が多いのは読み進むに従って明らかになってくる筈だ。

CX-3 の内外装については何時ものように既に Mazda CX-3 (2017年8月21日からの日記)でよりサイズの大きい写真を紹介しているので、こちらではベースとなっているデミオとの内外装比較により、実際どのくらいの相違点があるのかを検証してみる。

早速両車を比べた第一印象は同じデザインコンセプトのクルマだから似ていて当然‥‥と言いたいことろだが、特に国産車の場合は同一メーカーでも車種が違うとマルでデザインコンセプトの違うものがあったりする。まあトヨタのように巨大な規模だと数種類の異なるコンセプトのクルマを同時に販売する事もあるから一概に批判は出来ないし、逆にマツダは中規模メーカーだからアイデンティティを完全に統一出来る強みもある。これはマツダ以上に車種の少ないスバルの場合も同様だが、マツダ程のアイデンティティ−が確立されていないのが辛いところだ。

しかしCX-3 はベースのデミオに対して一見するとマルで一クラス上のようにさえ見える。特にリアからの比較は SUV らしく CX-3 のマッチョ感が実際の寸法以上に大きく見せている。


写真3
同じメーカーであることがハッキリと判るくらいにアイデンティティが確立しているのは国産車には珍しい。


写真4
リアビューは SUV らしく CX-3 のマッチョ感が実際の寸法以上に大きく見せている

この先はその2につづく。

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