Toyota C-HR S-T (2017/9) 前編

  

トヨタのブランニュー 小型 SUV C-HR が発売されたのは昨年 (2016年) 12月で、当サイトでは12月27日からの日記および以下の簡易試乗記で取り上げている。

⇒ TOYOTA C-HR 1.2 G-T (2016年12月) 簡易試乗記
⇒ TOYOTA C-HR Hybrid (2017年7月) 簡易試乗記

しかし上記の簡易試乗記はメガウェブでのチョイ乗りだった事から、今回は "公道での試乗" を実施した。あっ、もしかして、マツダ CX-3 との比較をするのに同じ条件が必要になって急遽の試乗実施じゃあないのかぁ? って、まあその通りでありまする。ただし、上半期の売り上げが発表された時点で、当然ながらマトモな試乗記を計画していたが、ハイブリッドにするかガソリンターボにするか迷っていた事もあり、多少実施が遅れてしまった。それで今回の試乗車はガソリンの、しかもエントリーグレードとなる S-T (251.6万円) というモデルで、勿論 CX-3 の試乗車だったガソリン自然吸気 2.0L と対比させるのに最適という事が最大の選択理由だ。

ここで C-HR のバリエーションをお浚いしておくと、大別するとガソリンエンジンが S-T (251.6万円) および G-T (277.6万円) 、ハイブリッドが Hybird S (264.6万円) および Hybrid G (290.5万円) というように、それぞれにベースモデルの "S" と上位モデルの "G" という2グレード構成となっている。

パワートレインはガソリン車が直4 1.2L ターボにより116ps 185N-m、ハイブリッド車は直4 1.8L 98ps 142N-m と72ps のモーターと共にシステム出力では122ps を発生する。またガソリン車は 4WD でハイブリッド車は FWD 、トランスミッションはどちらも CVT となっている。ガソリン車とハイブリッド車の価格差が十数万円と妙に少ないのはガソリン車の場合 4WD の価格上昇分があるからだろう。それならガソリンの FWD モデルがあれば更に価格が下がると思うのだが‥‥。

ところで試乗記の写真に関しては、最近は先に日記で詳細な写真を掲載しておいて、試乗記の本文ではそれを補足する程度としているが、今回の試乗車である C-HR S-T 、要するにガソリンのベースグレードについては前記の日記でも殆ど取り上げていない事から、今回は一通りの内外装の写真から始める事にする。

今までの C-HR の写真は展示場の中で撮影したもので、また実車を眺めるのも殆どが室内展示車だったが、今回はマジに屋外の広場で (と言ってもディーラーの駐車場だが) 太陽光の下で見る C-HR は中々のグッドデザインに見える。まあクルマのデザイン何て言うのは個人の好みの問題が大きく影響するし、動力性能のように数字で表せないモノだから評価は極めて難しい、と思う。

サイドビューではこのクルマのウィンドウ (グラス) エリアの高さが狭く、ウエストラインが高い事が判るが、これがマッチョに見える一つの理由のようで、SUV = オフロード = へービーデューティーという事を強調する手法だろうか。その高めのウエストラインは後方に向かってキックアップしているが、良く見れば思った程には急激なエッジラインという訳でも無く、後部ウィンドウの後半 1/3 くらいが急激に上に向かっているのが目立っている程度だった。そういえばトヨタはその昔に Will 何とかいうシリーズで将来のデザインスタディーの提案をしていて、あの時は「これを買うユーザーが居るのかよ」と思ったが、その時のイメージの流れを汲んだような C-HR が今ではベストセラーカーというのは流石はトヨタで、長い目で見る余裕があるという事だ。


写真1
無難なデザインの多いトヨタとしては中々のグッドデザインだ。


写真2
リアのマッチョ感が SUV らしい。

写真3
サイドビューでは、高いウエストラインは意外にキックアップが少ない。後方に向かってグラスエリアを更に狭めるのはその昔のデザインスターディーモデルと髣髴させる。

個性的なデザインの CH-R の中でも一際目を引くのがリアフェンダーから車両後端までのラインで、ボディサイドよりも張り出したブリスターフェンダーはリアゲートを後方に大きく絞る事で更に強調されて、これがまたマッチョ感を大きく増強している。しかしこの CH-R にジジイが乗るとなるとチョイと気恥ずかしいモノがあるのも確かだが‥‥。

次に室内を見ようと普通の車ならリアドアのノブが在りそうな場所に手を差し伸ばしたが‥‥ないっ! そうだ、このクルマはアルファロメオなどと同じようにリアのドアノブが一見目立たないように隠されていたのだった。そしてこのドアノブの為に、リアウィンドウの面積が更に小さくなっているのだった。


写真4
大きく張り出したブリスターフェンダーはリアゲートを後方に大きく絞る事で更に強調されている。


写真5
アルファロメオなどと同じようにリアのドアノブが一見目立たないように隠されている。

ドアを開けると日記の時に取り上げたGグレードと違い一見すると大分地味だが、特にチャチという事は無い。そのシート表皮もではレザー/ファブリックのコンビだったがではファブリックとなる。しかしこの表皮が結構欧州車的で決して悪くは無く、寧ろ見るからに安モノ丸出しのフェイクレザーを使っているよりもこちらの方が好感が持てるくらいだ‥‥と書いてはみたが、まてよ、よくよく以前の日記を見たらばなんとのパーシャルレザーは本革だった。

シート調整は全て手動だが、CH-R はでも手動 (ただしランバーサポートが追加される) で電動を標準装備するグレードは無い、と書くとあたかもオプションでパワーシートが用意されているように聞こえそうだが、カタログで調べたが実はオプションにも無い。このカタログだが、他のトヨタ車と異なり横長で欧州車のカタログを髣髴させるもので、装備一覧表もトヨタお馴染みのカラー表示で無く、グレー地に小さい字で印刷されていて、こらが読み辛いようなジジ・ババはこのクルマは相応しくない!と言われているようだ。

それではドアのインナートリムはというと、まあこのクラスのクルマではドアトリムはチャチいのだが、Sグレードということでピアノブラックのパワーウィンドウスイッチパネル等は無く、プラスチッキーなヤツだったりするが、この部分はでも結構安っぽいのは、まあBセグメントの辛さだろうか。

写真6
Gグレードと違い一見すると大分地味だが、特にチャチという事は無いインテリア。

 


写真7
シート表皮のファブリックは悪くない、というかこれで十分でGの質の悪いレザーよりも良いくらいだ。


写真8
シートの調整は当然ながら手動式。


写真9
ドアトリムはプラスチッキーだが、まあ許容範囲だ。


写真10
Sではアームレストのスイッチパネルも樹脂丸出しだが、まあ実用には問題無い。

ダッシュボードに関してはの大きな違いは見当たらないが、それ以上に今回の試乗車は乗り込んだ瞬間にセンタートップにあるディスプレイが大きい事に気が付いた。念の為にチョイ乗り試乗した時の写真を調べたらば、やはり今回の試乗車のディスプレイの方が大きかった。そこでまた例の年寄り殺しのカタログで調べたら、ナビは全てディーラーオプションで、要するにディスプレイサイズや機能で価格は違うという事で、今回の試乗車にはより上級のナビが付いていたという事のようだ。

ところで今回気が付いたのだが、C-HR のセンタークラスターは正面よりも少しドライバー側を向いていた。そんなの BMW なら何十年も前からやっているぞぉ、なんて言われそうだが、兎に角日本車もそういうところまで気配りが行き届くようになった、ということだ。まあ、このクルマは欧州でも本気で売る気のようだから、ジャパンオリジナルは許されないのは当然だが。

写真11
ダッシュボードはGと大きく変わらない。センタークラスターは BMW のように僅かにドライバー側を向いてる。

写真12
今回の試乗車のナビは前回 (写真下) に比べてディスプレイが大きかった。なおナビは全てのグレードでディーラーオプションであり、ラインオプションは無い。



ここまでのところではSグレードでも決して悪くないという感じで、二十数万円も余計に出してGグレードを買う事も無さそうだ。国産に限らずクルマのベースグレードというのは実際には使い物にならないくらいにチャチいモノも多かったが、最近は無意味なグレードは設定せずにベースグレードが標準品で上位グレードはプラスアルファの贅沢装備を追加する、という傾向となったのは良い事だ。

この続きは後編にて。

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