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BMW 523d (2017/3) 前編 その1

  

高級輸入サルーンの中でもメルセデスEクラスと並んでその代表的車種である BMW5シリーズは誰もが憧れるブライベートカーの最高峰といってもいいだろう。しかし5シリーズがEクラスのライバルとみなされるようになったのは5代目 (E60 写真2) からであり、それ以前では世間の見る目はワンランク格落ちのクルマ的な評価だった。例えば4代目 (E39 写真1) 時代は同じ排気量のEクラスよりも100万円程実売価格が安いのが実情だったし、5シリーズに乗ってメルセデスのディーラ (勿論ヤ○セ) へ行ったらアウディを薦められたとか、フォルクスワーゲンの駐車場に誘導されたとか、数々の逸話が聞こえてきたものだった。

それでは何故に E60 時代に5シリーズがEクラスに追いついてしまったかといえば、勿論クルマとして劇的に進化した事も事実だが、それ以上にEクラスが SBC というフルエレキのブレーキシステムを採用し、これが欠陥品でリコールとなるなど言ってみればオウンゴールだったこと大きな原因になっている、と言うことは既にこのサイトで何回も話題にしているが、兎に角最近では高級ファミリーカーであるEセグメントサルーンではメルセデス E クラスと BMW 5シリーズは対等なライバルと観られている。


写真1
4代目5シリーズ (E39 1996-2003)


写真2
5代目5シリーズ (E60 2--3-2010)

E60 でメルセデスに追いついた BMW の次の6代目 F10 (2009-2016) 5シリーズは E60 の正常進化で、これはその地位をより安定させる作戦に出たというところだ。この E60 までの5シリーズの流れとライバルであるメルセデス Eクラスを時系列に比較した表はMercedes-Benz (W213) E200試乗記 (2016/8)特別編に掲載したのだが、特別編ということで一般読者お断りのためにこの内容を知らない読者もいるかもしれない。ということで今回は大サービスとして以下に再掲載する事にした。

そして今回は上の表で言えば最下段のW213 に約半年遅れで 5シリーズも FMC された事で、またまたこの両車の戦いは熾烈になった、という程でもないが‥‥。

さて新型の説明の前に先代 F10 について触れておくと‥‥というのも面倒なので下のリンク先を参照願いたい。(なんちゅう手抜きだ)

BMW 523i High Line Package (2.0L Turbo) (2011/12)
BMW 523d Touring (2014/4)

それで新型と先代の比較について先ずはスペックを比べてみたのが下の表だ。 同じ2.0L ターボディーゼル同士で比べると車名はどちらも 523d と変わらない。いや何でそんな事を言うかといえば、最近のBMW は事実上同じクラスのクルマをモデルチェンジを機に名称を変えたりするからだ。今回も 2.0L ガソリンターボでは先代が 528i なのに新型は 530i と変更になっているが、それは2.8L相当から3.0L相当のパワーアップされたのだろう、と思ってエンジンの仕様を見たらばその違いは僅か 7ps!だった。

さて今回の新型5シリーズも何時ものように既に日記でよりサイズの大きい写真を紹介している。
⇒ BMW New 5 Series (2017年3月27日からの日記)

ということで、こちらの試乗記では新 (G30) 旧 (F10) の5シリーズの内外装を徹底比較、という程でも無いが、ひととおり比較してみる。なお今回の試乗車および展示車共に 523d M Sport を使用している。

それでは早速新旧のエクステリアを比較すると両車は確かに異なる部分もあるが、それぞれ単独でみればどちらも紛う事無き BMW であり、ひと目で新旧を判断出来るのは5シリーズのオーナーか余程の BMW 好きであり、言い換えれば旧型に乗っていても世間から馬鹿にされる事も無い。これが国産車ならばひと目で旧型と判るわけで、例えばプリウスなんかもチョット前まで現行車種だったのに今旧モデルを見ると妙に古臭い、なんて事になる。国産車で FMC してもキープコンセプトというのはクラウンくらいだろうか。チョイと待て、スバルもキープコンセプトだ‥‥とスバヲタさんがおっしゃっています。


写真3
こうして比べれば違いもあるが、単独で見たらば殆ど新旧の判別はつかない。


写真4
リアはフロント以上に新旧の見分けがつけ辛い。

それで真正面から比較すると新型のキドニーグリルは明らかに大きく、これに対して先代のグリルはおちょぼ口に見える。なおアウターサイズでは全幅が+10o (1,860 → 1,870) 、全高では+5o (1,475 → 1,480) とほぼ同サイズだ。サイドビューも勿論大きな変更は無く、取り分けサイドウィンドウやドアのデザインは全く変化がない。ただし細かく見ると新型のフロントフェンダー後部には何やら最近のBMW では度々見かけるエアアウトレットが見える (写真6) 。これはタイヤハウス内のエアを迅速に排出する事で空気抵抗を押さえ燃費を低減させるという。BMW では以前からフロントバンパー下端のエアインレットにエアダクトが仕込んであって、ここから入ったエアはブレーキのロータ−やパッドを冷却するから、このような排出口を付ける事で抵抗なく排出出来るという事だ。という事はこれを国産車が真似ても意味ない事になる (ただし一部の国産車はダクトになっているのもあるが今回は知らなかった事にしよう) 。

なおサイドビューでのサイズは全長が+30o (4,915 → 4,945o) 、ホイールベースは+5o (2,970 → 2,975o) と特に全長が多少延長されている (写真6) 。次にリアを詳細に比較すると、リアコンビネーションランプはよく見れば多少異なっているが、これまた基本のデザインは同じだ。排気管は F10 の片側2本から両側から楕円形で各1本に変更となった (523d の場合) 。


写真5
G30のキドニーグリルはより大きく、全幅はG30の方が10o と多少広い。なおG30 のグリルがブラックアウトされているのは M Sport のためだ。

写真6
サイドビューも正にキープコンセプトだが、それでもG30は全長で30o、ホイールベースは5o それぞれ長くなっている。

ひと目で判る相違点としてはフロントフェンダー後部のエアアウトレットがある。



写真7
リアもまた基本的なデザインは共通だが当然多少の相違点はある。

トランクリッドを開けてラゲージスペースを比較すると、写真8 では判り辛いが G30 の方が奥行きが深いような感じがする。そう、あくまで ”感じがする” 程度だが‥‥それで全長の違いを思い出すと、確かに 30o 長かったからまあ納得か。

5シリーズのヘッドライトと言えば以前からスモールライトがリングのように点灯するいわゆる ”イカリング” の本家だが G30 ではリングでは無く、4シリーズなどと共通で ”?” を横にしたような形状になっている。ヘッドライトに限らずクルマというのはその年代のデザインレベルを代表するもので、新型が出る度に近代的になると感じるのだが、それが次のモデルが出ると行き成り古臭く見えて更に数代前のモデルなんて今になって見るとあまりにも古臭くて驚いてしまう。


写真8
ラゲージスペースを比較するとG30のほうが少し奥行きが長いように感じる。

写真9
一見すると似たような形に見えたヘッドライトも、こうして比較すると結構デザインが異なっていて、特に5シリーズの代名詞だったイカリングもリングでは無く "今風” なっている。

次のインテリアについてはその2にて。

⇒その2へ