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Mercedes Benz C180 & C200 特別編 [Mercedes Benz C Class vs BMW 3 Series 前編] 特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。 ドイツ製プレミアムカーと言われて脳裏に浮かぶのはメルセデスベンツとBMWであり、世間で言うところの「ベンツ・ビーエム」である。因みにベンツという呼び方は日本だけのようで、これは如何にも成金というか田舎者っぽくて恥ずかしいので、ちょっと高級な自動車雑誌ではメルセデスと表現している場合が多く、当サイトでもメルセデスという呼び方を使っている。対するBMWはその昔にはマニアの間ではドイツ語読みでベー・エム・ヴェーと言ったり、ベムヴェなんて言うと更にマニアっぽくなったものだが、いつの日かベムヴェという呼び方が廃ってしまい、その代りにビーエムというのが主流になってしまった。 しかしこの2車は車作のポリシーについては結構異なっていて、以前のメルセデスは ”最善か無か” というポリシーで性能(安全)のためなら一切の妥協をしないという、他車に真似の出来ない信念で作られていたから、価格はとても一般庶民、いや中産階級でも手の届かないくらいに高価だった。そしてその走りはといえばシャーシーはエンジンよりも速くということで、エンジンパワーに対してシャーシーがオーバースペックとなるような設計であり、言い換えれば以前のメルセデスはどちらかと言えばアンダーパワー気味だった。勿論、最上級クラスでは充分なパワーを発揮していたが、それこそ恐ろしく高価だった。そして実際に当時のメルセデスのステアリングを握ってみれば、その鬼のような直進性と安定感で当分はカルチャーショックに陥ったものだった。 対するBMWは今でも駆け抜ける喜びなんて言っているように、メルセデスに比べて運転すること自体を楽しみとするようなマニアックな特性を狙っているから、言い換えればメルセデスのような安定性は無いのだが、そうはいっても決して不安定なクルマというわけでは無く、これは極々ハイレベルでの話だ。そして本来BMWはメルセデスよりも下のクラスが主流であり、今回の主役である3シリースの歴史は初代 (E21) が1975年の発売だから今年で既に39年、約40年の歴史があり、現行モデルの F30 は6代目にあたる。しかも3シリーズの前身である02シリーズは1966年の発売であり、そのまた前は1961年の1500シリーズまで遡る事になるから、その歴史は半世紀にも及ぶ事になる。 それではCクラスはといえば、その前身の190E (W201) が発売されたのが1982年だったから歴史としては3シリーズよりも5年遅れで、02シリーズからだと16年もの遅れがあったことになる。そして190Eとその時点での3シリーズ(E30) では190E の方がワンクラス上という感覚だった。当時の記憶だから定かではないが確かベースグレード同士の価格を比較すると100万円以上の差があったような覚えがある。
そんなふうに 190E よりも格下だった3シリーズが、本格的にメルセデスと対決出来るようになったのは1998年発売の4代目 (E46) からで、当時のCクラス(W202) と比べても決して見劣りすることもなく、更には2000年に発売された2代目Cクラス(W203) がコストダウンに走ったこともあり、メルセデスとしては元々弱かったDセグメントで更に差を付けられて、高級輸入車の王座の地位を3シリーズに奪われてしまった、と言っても言い過ぎではなく、これが現在まで影響している。 しかし企業としてはBMWより明らかに格上のメルセデスだから、その後は起死回生を狙って2007年の3代目Cクラス(W204) ではBMWを大いに意識して、走りも以前よ確実にスポーティーとなり、これなら3シリーズと充分に勝負出来るという出来だったが、ここ数年で大いに増えた400〜500万円クラスの輸入車ユーザーからすれば、既に3シリーズが憧れであり、選択肢としてもまっしぐらで3シリーズに走るから、Cクラスがいくら良くなったとはいえ、ベンツ? 好きじゃないなぁ、とかCクラス? 何それ、という雰囲気で、そう簡単には3シリーズの牙城を崩せない状態だ。 このような経緯で両車の対決はCクラスがFMCされたことで新たなる戦いが始まった。新型Cクラス (W205) のサイズは3シリーズ (F30) とほぼ同じであるが、エンジンのラインナップはCクラスには3シリーズには無い1.6Lターボ エンジンがラインナップされている。そして中心になる C200 は320i とほぼ同じエンジンスペックであり、ハイパワー版の C250 と 328i は双方とも 2.0L エンジンをチューニング (主としてターボ過給圧アップなど) してパワーは328i が多少勝るが最大トルクは全く同じ350N・m という3.5L NA 並みの値となっている。 1.6L のC180 をラインナップしたことで最廉価モデルは419万円という3シリーズに対して一気に価格ダウンを実現したが、BMWだって指を加えて見ているわけにも行かず、320i に SE という427万円のモデルを追加したが、流石に419万円までは落とせなかったようだ。とはいえ320i SE はエンジンスペックから言えば C200 相当であり、これを考えれば充分に買い得モデルではある。このような ”訳あり価格” の320i SE を別とすると、C200 と 320i そして C250 と 328i のそれぞれの価格設定を見比べると、いずれも Cクラスの方が40万円程高い状況となっている。まあ装備品やら保証内容まで見比べないと本当の価格差は判らないが、少なくとも発表されている価格ではCクラスの方が高い値付が行われているのは、メルセデスとしては追う立場から本来の格上の立場に復帰したという事だろうか。 と言ってはみたものの、念の為に先代Cクラス (W204) の価格を調べてみたらば、C200 AVANTGARD については523万円という今回と同等の価格だったが、C250 AVANTGARD では605.8万円と今回のC250より安く、328i の604万円と同等だった。しかし、待てよ? 新型のC250 には現在 AVANTGARD の設定はなく、より上級装備、すなわちC200 でいうと AMG LINE に相当するような C250 Sports のみの設定だから高いのも納得できる。ということは、既に先代 W204 の時点で C200 はライバルの320i より高めの価格設定だったということだ。言い換えれば、BMWは量販グレードの320i には買い得価格を付けているが、上級モデルの328i では割高にしているということで、これは常々感じていたことと合致する。
ということで、今回は本題に入る前にスペックを元に色々分析してみたが、それでは実車の比較に入ることにする。 先ずは斜め前方から比較すると、今まで気が付かなかったが特徴的な其々のフロントフェイスを別とすれば、雰囲気としては結構似ている。この辺りは同じドイツの血が流れているからなのか、明らかに血縁関係という感じだ。実際に、戦前ではBMWのボディはメルセデス製だったとか、戦後はBMWがメルセデスに吸収されてるという計画もあったようだから、会社としてはやっぱり親戚関係(?)と思って良いのではないか。これは、一人ひとりを別々に見れば全く違う顔つきなのに二人並ぶと何故か共通したイメージが有る。やっぱり従兄弟同士だよねぇ、みたいなもので、それに比べれば赤の他人のレクサスは必死でベンツ・ビーエムに似せようと整形手術にお金を掛けたが、どうしてもあの雰囲気が出ない、みたいなものだ。 |
今度は斜め後方からの比較をすると、フロント同様雰囲気は似ているが、リアウィンドウの形状などが異なるために両車のイメージは少し違っている。
真正面からの比較では、これはもう誰が見ても両車のアイデンティティ全開という状態で、そのアイデンティティという意味では最も確立している両メーカーだから、この2車の区別がつかないということは無いだろうし、クルマに殆ど縁のないオバちゃんだってベンツとビーエムの区別は付くだろう。。 ただしメルセデスの場合、セダンとして伝統的なグリルとボンネット上のオーナメントという組み合わせは現在では通称クラシックグリルなどと呼ばれていて、何と現在の日本では販売されていない。したがって、写真のようなデッカいスリーポインテッドスターがラジエターグリル中心に居座っているタイプで大型エンブレムグリルとかクーペグリルとか呼ばれているものだ。これは以前ならば特別な高性能モデル、すなわちSLなどに使用していたものだが、これが何時の間にやら標準になってしまった。
それでは欧州ではどうかと思ってドイツと英国のメルセデス公式サイトを調べてみたらば、何とクラシックグリルはSクラスだけで、E クラスでさえ大型エンブレムに統一されていた。それで日本でのEクラスはといえば2013年5月のMCから、全て大型グリルになっていた。要するに新車でクラシックグリルが購入できるのは S クラスのみということになる。ということは、近い将来Sクラスを除いてクラシックグリルのメルセデスに乗っていると、いくらピカピカに磨いても「あっ、古いベンツだ」って言われたりするし、もしもナンバープレートもピカピカだと「オマケに中古で買っんだ」なんてバレてしまう。このナンバープレートという奴は流石に白蟻役人の管轄だけあって、今時の日本の工業水準では考えられないくらいに品質が悪くて、直ぐに塗装がヨレてしまうから、これがピカピカということは新しくナンバーを取り替えた → 中古で買った、とういことになる。いや勿論、転居でナンバーが変わったとかの例外はあるけれど、誰もそう思ってはくれないのが現実だ。 ここで話を終わりにしてもいいのだが、ひとこと加えると欧州向けの公式写真には2014年モデルのEクラスにもクラシックグリルを持つ写真があったりするから作っていないわけでもなく、向け先によってはラインナップされているのかもしれない。いや、ねぇ。これを書いておかないと「E クラスにもクラッシクグリルはあります。要訂正!」みたいなメールが来たりするんですなぁ、これが。
というわけで、特別編らしい内容で盛り上がったところで、次にサイドビューを比較してみる。
両車のアウターサイズはほぼ同じながら、こうしてみるとウエストラインの位置が3シリーズの方が低く、結果的にグラスエリアが広い。しかし、だからといって3シリーズのボンネット位置が低いわけでもない。 実は写真下の青い矢印のように、3シリーズはボンネット上面に対してウエスト(サイド)ラインの位置がより低いのだった。この違いにより、新型Cクラスはキャビン上部が小さく見え、結果的にスポーティ―に見えている。逆に3シリーズは如何にも室内が明るそうでより実用的なイメージとなる。本来はメルセデスが質実剛健でBMWがスポーティな筈だったが、最近はちょいと違うようだ。
そして真後ろからの比較では、特にCクラスが伝統の三角形のテールランプ等、これまたアイデンティを発揮している。特にこの3角形のテールランプは一時期大いに流行して、トヨタもマークUなどで
トランクリッドを開けて現れたリアラゲージスペースでは、両車は一見区別がつかないくらいに似ている。結局このクラスで広さとサスの性能をトレードオフして決定すると、必然的にこのようになるのだろう。
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それではいよいよドアを開けて室内を比べる事にする。 だだし、この手のクルマは国産車と違って内装のバリエーションが多く、特にブラック系とアイボリー系では雰囲気がマルで違ってしまうので要注意であり、以下の写真は参考程度と思って欲しい。それで先ずはブラック系から‥‥。 ブラックの内装というのは地味だから比較しても同じように見えてしまうが、実際にこの角度での比較では結構似たような雰囲気に見える。それでは次にアイボリー系の比較をしてみると‥‥
アイボリーの内装とはいえ、Cクラスはキャビンの内装の一部にブラックをあしらっているツートーンであり3シリーズのアイボリー一色とは趣が異なる。まあ、こういうのは好みの問題なのでこれ以上は何も言わないことにする。とはいえ、この手の内装は使っているうちに汚れが目立ってくるのも事実だ。
シート表皮の比較も各種バリエーション(特に複数のデザインラインがあるBMW) があるために、ここでは代用的なものを取り上げてみる。最初にファブリックシートだが、Cクラスの場合はサイドに人工皮革を使用している。3シリーズはデザインラインの SPORT を例としたが、ベースグレードの場合はこの写真からステッチ等を外したような状態で、ファブリックの質自体はそれ程変らなかった覚えがある。
次に本革シートといえば欧州車というくらいに国産車が品質的に差を付けられている分野だが、何しろ素材となる牛自体の消費量が圧倒的に違うし、これは文化や食生活の歴史に遡るわけで、勝ち目が無いのは当たり前だ。そんなこともあり、折角欧州車を買うのだから本革シートは外せない、というユーザーも多いと思う。それでCクラスの本皮シートは AVANGARD の場合はレザーエクスクルーシブパッケージというオプションを装着する必要があるが、その価格はC180が71万円、C200では64万円と結構なお値段となる。ただし伊達に高いわけでもなく、写真左下のようにガッチリした厚めのレザーは如何にもドイツ車らしく魅力満点ではある。 対する3シリーズではデザインラインが Luxury と Modern の双方にオプションの本皮シートが設定されている。写真右下は Modern だが、どうも Luxury よりも幾分シボが浅く手触りも柔らかめな気がする。なお、Luxury の本革シートの写真を見ると、C200 と同様にシボのハッキリした厚い革を使っている。この辺も好みの問題だから、実際に購入する場合はディーラーマンと詳細な打ち合わせをすれば良いだろう。要するに買わない (買えない) 奴が何を言っても始まらない訳だ。
ドアを開けて視線を下に向けると見えるスカッフプレートは、Cクラスでは ”Mercedes-Benz” のロゴが白色に光るという念の入れようで、まあ Mercedes-Benz というのは以前よりは落ち目とは言うものの腐っても鯛で、それだけの自信があるのだろう。これに比べるとBMWの金属プレートが随分地味に見えるが、こちらが世間の標準ではある。
Cクラスのシートの調整は最廉価モデルのC180 を除いて、すなわちC180 Avantgard 以上には全て標準でドアトリム側に操作用とポジションメモリーのスイッチがついているから、シート側面には殆ど何もない。殆どと表現したのは写真のようにオプションなどによってはランバーサポートスイッチがあるからだ。それでは3シリーズはというと、BMWではお馴染みのシート側面にポジションの調整とメモリーなど全てが付いているタイプで、実はこれはドアを閉めたら手探りでの操作となってしまい、操作性は決して良くはないが、長年そんなものだと思って使ってきたBMWユーザーならば特に問題は無いであろう。 ドアインナートリムはどちらかと言えばCクラスの方が高品質に見えるが、まあこの辺は好みの問題ではあるし、ベースグレード(素のモデル)のC180や320iの場合はもう少し質素になる。そして、前述のようにCクラスはシートの調整スイッチとポジションメモリーがドアトリム上に配置されている。
インパネは当然ながら両車のデザインセンスの違いにより一見して違いが判るが、取り分け今回のCクラスはエアアウトレットを丸型にしていたり、センタークラスタ―の下端とフロアコンソールをつなげたりと3シリーズとは全く異なるデザインとなっている。 ![]() ナビなどに使用するディスプレイもCクラスは一般的な縦横比だが、3シリーズは例によってBMW独特の横長サイズを使用している。どちらが良いかはユーザーの好み次第だが、BMWの横長も慣れれば結構使いやすいが、それには画面を分割して上手く使うことが必要で、そういうことが出来ないユーザーは高さが低いから使いものにならないという。尤もこんなことを言うのはオーナーよりも他社のユーザーに多く、ド●キで買ったジャージに身を固めて、オレっちのステップワゴンの方がよっぽど見やすいジャ〜ん、みたいな感じだ。 それに比べればCクラスは国産車によくある2DINタイプのオーディオ一体形と同じようなサイズだから、一般のドライバーでも極々普通に使うことが出来る、と書いてはみたものの、そんなパンピードライバーがメルセデスを買うか、という突っ込みが来そうだ。
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輸入車ユーザーやその予備軍からすれば最も興味のあるクルマの一つであるBMW3シリーズと、そのガチンコライバルである C クラスの比較という、言ってみれば比較試乗記の王道だからどうしても内容が詳細になってしまい、既に大分長くなってしまった。そこで今回は前・中・後編の3分割とした。 テなわけで、この続きは中編にて。 |