BMW 218i Active Tourer (2014/12) 前編 |
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ブランニューモデルである2Series アクティブツアラー (以下2SeriesActと表記) はこのところ破竹の勢いでラインナップを拡大しているBMWの新車戦略の一環だが、2シリーズといえば1Series のクーペパージョンの筈であり、実際に1Series ベースのクーペが2Series となっている。 ところが、今回の2SeriesAct はクーペではなくクロスオーバーSUV 的な背の高いクルマだから、まあ1Series とは違う趣のプライベートカーという位置付けなのだろう。そう考えてみると他のシリーズ、例えば4シリーズや6シリーズも最近はクロスオーバー的な車種が増えていて、結局何が何だか分からない状態になってしまった。 さて、その2SeriesAct だが、現在のバリエーションは2種類で、一つは 3気筒 1.5L ターボエンジンで FWD の218i 、って、なにい〜! 3気筒で前輪駆動だってぇ〜? 何て言いたくなるし、BMWよオマエもか? なんていう言葉も思いつく。ラインアップのもう一つは 4気筒 2L ターボで4WD の225i だが、225i の発売は一足遅れるようだから、今現在は218i のみということになる。 そこで何時ものようにスペックを比較してみる。今回の比較相手は116i で本来は2 Series のベースモデルは 1Series なのだが、どうも今回は違うようだ。 ![]() 先ずは 218i と116i の長さ方向を比較してみると、全長は218i が15o 長く、ホイールベースは逆に116i が20o 長い。そして全幅は218i が1,800oと116i の1,765o よりも35o長い。幅方向で35oというのは結構な違いで、218i の1,800o というサイズは3シリーズと同等、すなわちワンランク上のサイズだ。 エンジンについては排気量が 218i の 1.5L と 116i の1.6Lという差はあるが出力 (135ps) とトルク 220N・m) は同じとなっている。それなのに何故に"18i" と "16i なのだろうかという疑問は残る。BMW の場合、モデル名については結構不可解なことも多く、例えば 120i は1.6Lターボなのに320i は2.0L ターボという矛盾があるが、実は120i は欧州では118i と呼ばれていて、なる程それなら話は解る。では218i は欧州ではどうなのかといえば、1.5Lターボを搭載した2SeriesAct は日本と同じ218i だった。ただし、2.0Lモデルについては 225i (231ps) 以外にデチューン版の220i (192ps) というモデルがある。更にディーゼルエンジンのモデルも充実していて、216d (1.5L 116ps) 、218d (2.0L 150ps) 、220d (190ps) がラインナップされている。なお、これらは英国向けのカタログから拾ったものだから、ドイツ本国では多少異なるかもしれない。何故に生産国のドイツ向けカタログから調べないのか、と言われそうだが、ドイツ向けはドイツ語だから解読(翻訳では無く、正に暗号解読!) が大変というのが理由である。 本題に入って、早速エクステリアの写真を見てみる事にする。なお、写真の車両はエクステリアについては Luxury で、インテリアは一部 Standard も併載してある。それで、1シリーズの現物を見ると結構立派で、1 Series に感じられるチープさが少なくスタイルは中々良い。とはいえ、1 Series だって先代に比べれば現行モデルは随分とチープさが減ってはいるが‥‥。 2SeriesAct は5ドアハッチバックや SUV というよりもコンパクトワゴンに近い雰囲気がある。確かに 1 Series よりも幅が広くて背が高いから、見た目にはワンカテゴリー上のクルマに見えるのがチープさを感じない原因の一つでもある。サイドビューを1 Series と比較すると、全高のみならずウエストラインの位置も高くて、しかも後方に向かってキックアップしているが、これがほぼ水平なウエストラインの1 Series との違いを助長している (写真3) 。しかも2SeriesAct は FWD のために必然的にフロントオーバーハングが大きいが、それを上手く |
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ヘッドライトは全グレードにLEDタイプが装備されている(らしい)。リアのテールランプは当然ながら LED だろうが、以前のような如何にも 「LED でございます」というような外観ではなく極々普通に見える。 ラッゲージスペースの奥行きは車両の全長が4.3mだから広いわけがないが、それでもこのクラスとしては特に狭くもない (写真8) 。それにリアシートのバックレストを倒せば長物も詰めるわけで‥‥って、そんなの当たり前だろう! という声が聞こえる。ところでクルマに積む長物といえば、やっぱりゴルフバッグだろうが、そんなことを書くとジジイっぽ〜い、何て言われそうなので若者ブってエレキギターやシンセサイザーも積めるとか言ってみるのも良いかもしれない。えっ? エレキバンドなんて定年退職して暇をコエているジジイのやるもんじゃね、何て痛い処を突くじゃねえか。 話は変わって、Luxury の場合はリアゲートが電動式となるが、閉まり方は例によってバタンっと下品だが、それでも以前よりは大分マシになってはいる (写真9) 。 |
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それではドアを開けてインテリアを見ることにする。キャビンの雰囲気は332万円の Standard と381万円の Luxury とはその価格差 (約50万円) 分の違いはしっかりと差別化されている。 Standard (写真12) と比べると Luxury の華やかさは写真のインテリアカラーがベージュであることも手伝って、BMWとしてはボトムに位置するシリーズとはとても思えないものがある (写真13) 。なお Standard のインテリアカラーははブラックのみだが、 Luxury は写真のベージュ以外にブラックとブラウンがあり、これらの場合は当然雰囲気が違って見える。 シート表皮は Standard がグリッド・クロス、要するにファブリックというか織物というか、欧州車お馴染みのもので、 Luxury ではパーフォレ-テッド・ダコタ・レザー、すなわち座面に通気穴の開いたレザーとなる (写真14) 。 シートの調整は Standard では全て手動式であり、 Luxury の場合にはメモリー付きの電動式で、そのスイッチ部を見れば3シリーズなどと共通と思えるものだ (写真15) 。更に使い勝手には関係ないが、スカッフプレートも高級感溢れるつや消しメッキの Luxury に比べれば Standard では何ともチャチな黒い樹脂製のものだが、一応 "BMW" のロゴは付いてはいる。 |
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ドアのインナートリムもウッドトリム、レザー + ステッチのアームレストやドアトリムという見るからに高級そうな Luxury と、シルバートリム、ウレタンのアームレストやファブリックのドアトリム等で地味というか、はたまた少しチャチというか、質素な Standard だが、それでもドアインナートリムについては C セグメントとしては、まあマシな方だ (写真16) 。 |
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2SeriesAct は1シリーズよりも背の高いハイト系ということで、インパネの高さ方向に余裕がある(上下に幅が広い)ことから、1 Series よりもセンタークラスターのスペース自体も上下に広く、比較すれば違いは直ぐに判る。Standard と Luxury でインパネの形状などは基本的に違いはないが、今まで見てきたシートやドアトリム同様で、見た目の違いは歴然としていて、質素な Standard と華やかな Luxury というのは変わりない (写真17~18) 。 センタークラスーは上部にディスプレイを突き出してその下にエアアウトレットとオーディオユニットが配置されている。このオーディオは1シリーズと同じもの (写真19) だが、エアコン操作パネルは 1 Series のようにその真下にあるわけではなく、フロアーコンソールに近いくらいに低い位置に 1 Series とは異なるユニットが配置されている (写真20) 。 インパネ左側のグローブボックスはインパネの高さの割には開口部も狭い (写真22) 。そして右端はドイツ車に共通の回転式ライトスイッチがある (写真23) 。 |
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インテリアを見る限りでは質素な Standard と華やかな Luxury という対比もあったが、一番の興味はBMW初のFWD による走りとなる。 走行については後編にて。 |