今さら言うまでもなく座り心地の良いシートに身を委ねて、さてエンジンの指導だが、数ヶ月前に試乗したHighline を思い出してステアリンコラム右側面のキーホールに視線を移すが、ここにはブランクパネルがついていた。そこで、インパネに何やらボタンが有るはずど探すが‥‥無い? 実はセンターコンソール上のATセレクター右奥にある決して大きくはない丸いボタンがスタートスイッチだった。このボタンは径が小さいのみならずシルバー仕上げで文字が良く見えないなど、まあオーナーなら特に問題はないが、何も知らずに初めて乗るとちょっと面食らってしまう。
ATセレクターはといえば、これはオーソドックスなティプトロタイプだから、何の違和感もない。このセレクターをDに入れて、さてパーキングブレーキはといえば、Highline と同じでセンターコンソールのATセレクターの手前に電気式のスイッチがある。この形状はBMW5シリーズなどとほぼ同じだから解りやすい。それにしても、BMWでは5シリーズ以上でないと付かない電気式のパーキングブレーキがCセグメントのゴルフに付いている事実は、フォルクスワーゲンが何故この部分に予算を奢ったのか不思議だ。
ゴルフのトランスミッションはディアルクラッチ(DCT)タイプでVWではDSGと呼んでいるもので、このGTIと更に高性能なRには6速タイプが装着されていて、それ以外の中クラス以下のモデルには7速が使用されている。既に3月14日の日記で取り上げたが、7速は乾式タイプでドイツのシェフラー社製であり、これが1速に上手く入らない場合があり現在リコールとなっている。そして、このミッションはフィットハイブリッドでも使用しており、勿論フィットもリコールとなっている。まあ、この件については特別編で少し面白そうな情報を出そうと思っているので、それまでしばしお待ち願いたい。
走りだすためにブレーキからアクセルに踏み代えるが、そのペダル類はGTIに伝統的なアルミの(たぶん)スポーツペダルが付いている。それでDSGの発進は違和感もなく、特に気にしなければトルコン式のATとの差が判らない程度にまで進化している。公道に出てハーフスロットルで加速した瞬間に強力なトルク感を感じ、同じゴルフでも前回試乗したベースグレードのTrendlineは当然としても 中間グレードのHighlineと比べても別モノであることを感じる。そのまま速い流れの国道バイパスを巡航するが、その時の回転数は1,500rpm前後で、これは世間一般のクルマと変わることはない。次に発進した時には後続車がいなかった事もあり40q/h、1,200rpmくらいというほとんどアクセルを踏まずに惰性で巡航して、そこから徐々に速度を上げていくと2,000rpm、45q/hくらいでシフトアップされるようだ。今度はそこからフルスロットルを踏んでみると多少のタイムラグの後にシフトダウンし、回転計は2,800rpmを指し、その後は強力に加速していく。
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