B_Otaku のクルマ日記

放射能関連データ (http://atmc.jpへリンク)



2013年2月1〜15日

2013/2/15(Fri) VW The Beetle<3>

前回に引き続いてインテリアを紹介する。

最近のクルマには珍しくフルトリムではなくて、塗装色の鉄板が出ているのは勿論演出だ。トリムの部分はプラスチック丸出しで安っぽい。

運転席側のドア側アームレスト前端にはパワーウィンドウのスイッチがあるが、2ドアなので当然ながら2つしか無い。下の写真を見るとアームレストの表面にはクロスが貼ってあるようだ。

インパネはドアのインナーパネルと同様で水平部分が車両と同じ塗装色となっている。

オーディオはFM/AM付きCDプレヤーが標準となるが、2DINサイズなのでこのスペースにオーディオ一体型のナビを取り付けられる。

エアコンはフルオートで左右に温度表示があるところを見ると2ゾーンタイプのようだ。

インパネ右端は欧州車ではお馴染みの回転式のライトスイッチがある。

ATセレクターはVW独特のDの手前にSがあるパターンとなっている。
エンジンの始動はオーソドックスな金属キーを使用するが、確かにこのクルマの性格から言えばインテリジェントキーは似合わない。

 

メーターは他のVWと異なり3連式で、左の回転計は回転数を正確に読むには小さすぎるが、目安程度なら問題ない。それに対して同じ直径ではあるが右の燃料計は随分デカく感じる。

何やらビートルにしては幅が広くてスタイルが良すぎだが、それでも雰囲気は充分に出ているし、この手のクルマが好きなユーザーには検討の余地はある。とはいえ果たして走りの方はどうだろうか? 実は既に試乗済なので近いうちに簡易試乗記で取り上げる予定をしている。

乞うご期待。





2013/2/14(Thu) VW The Beetle<2>

引き続きエクステリアを紹介する。

前後の正面から見ると、ビートルというには広く低い現代的なフォルムではあるけれど、斜めから見れば充分にビートルに見えるから不思議だ。

フロントのヘッドライトはレザーパッケージには写真左下のバイキセノンライトが標準で、ベースグレードはオプションとなる。

 

リアハッチを開けると、意外にも結構広いラッゲージスペースが現れる。

最近のクルマはパンク修理キットの搭載でスペアタイヤを持たない場合が多いが、The Beetleの場合は、リアラッゲージルームの床板を持ち上げると、テンパーとはいえスペアタイヤが現れる。
標準装着のタイヤはベースモデルが215/50R16(写真右下)でレザーパッケージは215/55R17となる。

 

ブレーキは極普通の鋳物製片押しキャリパーと、これまたオーソドックスなディスクロータだが、ベンチレートタイプはフロントのみでリアはソリッドディスクとなる。ただし普通はFFの場合フロント負荷が極端に大きいことから、キャリパーはフロントが大きくて、それに比べるとリアが見るからに小さいのだが、何故かThe Beetleは寧ろフロントが小さく見えるくらいだ。

エンジンはゴルフ TSIトレンドラインやポロ コンフォートラインと同じ1.2L シングルチャージャーが搭載されている。

下の写真は上級グレードのレザーパッケージのために見かけは豪華だ。リアのパッセンジャースペースは特に足元が狭いが、それでも大人が何とか座れるから、+2というよりも4シーターと言っても良いかもしれない。しかし、決して広くはない。

ベースグレードのシート表皮はファブリックで、フォルクスワーゲンらしく中央はチェック模様となっている。

 

つづく。





2013/2/13(Wed) VW The Beetle

フォルクスワーゲン タイプ1は通称ビートルと呼ばれて第二次大戦後から1978年までドイツで生産され、その後もブラジルで2003年まで生産されていた。この歴史的なタイプ1のスタイルを現代に蘇らせたのが1998年から生産が開始されたニュービートルで、形は似ているがタイプ1が空冷エンジンをリアに搭載していたのに対して、水冷直列エンジンをフロントに積むという、要するにゴルフをベースとしていた。

 

このニュービートルは大方の予想を裏切って結構なヒットとなって、特にVWの販売が中断していた米国で人気がでて、これでVWが再度米国に打って出る切っ掛を作ったという。

そして、今回の新型はその名もNew BeetleからThe Beetleへと変更された。

先代同様にタイプ1を彷彿させるスタイルこそ、このクルマの全てとなるが、新型は見た目により低く(1,500⇒1,495mm)そして広く(1,735⇒1,815mm)という幅の拡大が著しく、タイプ1のイメージを残しながらも近代化されている。

ここで、The Beetleの諸元を同じVW社のゴルフとポロ、それも同じエンジンを搭載してモデルで比較してみる。

こうして見ると、エンジンとトランスミッションは全く同じモノを使っており、ゴルフに至っては車両重量も価格も殆ど同じとなっている。世の中の常識からすれば実用車のゴルフに対して、パイクカーであるザ・ビートルは価格が高くて当然だが、何故か同じ価格となっている。ポロはワンランク下のBセグメントであることから、車両重量も価格も少し低い。

なお、ザ ビートルのプラットフォームはジェッタと共通のA5(PQ35)プラットフォームを使用しているということだから、ゴルフYとは少し異るようだが、そのゴルフは日本でも近日中に新型のZに変更となる予定で、このゴルフZはMQBという全く新しいプラットフォームとなるという。

次回からは内外の詳細を順次紹介していく。

つづく。




2013/2/12(Tue) 笹子トンネル事故

笹子トンネルの天井崩落事故から既に二ヶ月が経ち、トンネル自体もようやく全面開通したようだ。このサイトはクルマ自体の話が主であり、クルマに関するとはいえ社会問題などはあえて触れなかったが、それではアホだと思われそうなので(事実アホだが)、偶にはこういう問題も扱ってみる事にする。

先ずは今回の事故の内容を整理してみる。
下の図は笹子トび吊り金具でトンネル頂部からぶら下げられている。今回はこの吊り金具を頂部に固定するアンカーボルトが抜け落ちたことで天井版が落下し、大惨事となってしまった。

ここで問題の部分を詳しくみてみると、下図の緑色で表したのがアンカーボルトで、このボルトがトンネルの覆工コンクリート頂部に埋め込まれているのだが、これがスッポ抜けてしまったわけだ。

ところで、アンカーボルトというのは建物の基礎のコンクリートに埋め込んで、柱などを固定するのに使われていて、一般的にはJ型やL型のボルトをコンクリート打設(流し込み)前に、鉄筋に強固に結束しておく。要するにコンクリートを流しこむことで、アンカーボルトの上部のネジ部分が頭を出している状態になる。

しかし、今回の事故になったアンカーボルトは既にコンクリートの打設が終わった状態で後から穴を開けてボルトを設置する後施工アンカーボルトと呼ばれるタイプで、これも何種類かがあるが、報道によると接着剤で固定するケミカルアンカーというタイプのようだ。これはコンクリートに後からドリルで穴をあけて、その中に接着剤を流しこみボルトを固定する方法で、施工が完全ならばJ型やL型と同等以上の引き抜き強度を持っている(筈だ)。

ところで、今まで紹介したアンカーボルトの図では、全てボルトが下向きに施工されている。元々後施工アンカーボルトの使用箇所は、タンクやポンプなど設備機器を後から設置する場合が多く、これらは自重である程度安定して設置されていて、それが振動などで移動しないように固定するのが目的となっている。しかし、今回の使い方は逆さにぶら下げるという、要するにアンカーボルトには常に引き抜き荷重が掛かっているわけで、こんな使い方は埋め込みアンカーだって安心できないのに、後施工のアンカーを使うという事が既に疑問点となる。

 

ということで、これはもう少し詳細に検討してみる価値はありそうだ。気が向いたらば続編を作ってみる積もりだけれど‥‥。期待しないで待ってもらうことにする。




2013/2/11(Mon) タクシー専用車

現在日本ではタクシーといえばトヨタのクラウンコンフォートとコンフォート、そして一部にセドリックが使われているくらいで、その他プリウスなどは極々一部となっている。しかし、コンフォート系(1995年~)にしても決して新しいクルマではないし、セドリックにいたっては型式がY31だから、最初に発売されたのは何と1987年、ということは今から26年前! 要するに四半世紀前ということになる。

そこで、先ずはこの3車種の諸元から。

  

アウターサイズは全幅が3車とも5ナンバー枠一杯の1,695oであり、同様に長さもクラウンコンフォートとセドリックは5ナンバー枠の4.7mギリギリとなっている。エンジンは何れもLPGを燃料としているのがタクシーの特徴だが、LPGを使うのは当然ながら価格の安さが理由となっている。それならディーゼルでは駄目なのかといえば、従来のディーゼルエンジンはパワーの低さから加速が悪いために、ドライバーからすれば稼ぎが減るように感じるので不評だったようだ。

それでは上記の3車種を順番にみてみよう。

クラウンコンフォート
クラウンとは言うものの、実際にはX80系マークUをベースとして、室内寸法を重視した形状のクラウン風ボディを載せたもので、よく見ればウエストラインから上のグラスエリアは大きく、リアの居住空間の確保を重視しているのが判る。外形寸法は前述のように5ナンバーサイズぎりぎりで、これによりタクシーとしては中型料金となる。なおクラウンコンフォートという名前が長いので略してクラコンなどとも呼ばれている。
上表のように今やミッションは全てATとなってしまった。長年に渡ってタクシーでATが嫌われていたのは何よりも燃費が悪いことで、次には加速性能もMTより劣る事も好まれない原因だったが、流石に世の中の変化には逆らえなかったのだろうか。

コンフォート
クラコンの兄弟車で長さが100o短く、タクシーとしては中型より料金の安い小型となる。コンフォート(1995年)はニッサンが発売したタクシー専用車のクルー(1993年)の対抗車として開発されたのもだが、今ではクルーは完全に負けて生産中止となってしまった。この辺は後出しジャンケンの得意なトヨタの勝ちで、これは昔からのパターンだ。
コンフォートには5MTもラインナップされているし、何よりクラコンよりも価格が安い。

セドリック
セドリックY32といえば現行フーガから見て4代前という殆ど生きた化石のような車だが、タクシー用として未だに作り続けられている。コンフォート系が小さく見えるのに対して、こちらは実に堂々としたボディで、平面寸法上はクラコンとほぼ同じなのに、大きく立派に見えるのは全高がコンフォート系よりも75oも低いことが原因だろう。しかし、その分居住性は多少劣るかも知れない。

トヨタはタクシー用としてコンフォート系からプリウスへの変更を画策していて、2009年にはコンフォート系の生産を中止したが、タクシー業界の猛反発により2011年から生産を再開した。タクシー用としての最大の要求項目はコストが安いことで、勿論イニシャルコストも重要だが、ランニングコストだって極力安くしないと即座に経営に影響する商売だから、簡単にプリウスに乗り換える訳にはいかない。コンフォートやセドリックは安価な補修用部品が市場にいくらでも出回っている。それにタクシー会社の多くは自前の整備工場を持っているから、今更プリウス用の設備なんか入れる気は無いだろう。それに、タクシー業界ではFFは耐久性が無い、という気持ちが強く、整備性だってFRの方が勝っている、ということで使い慣れた旧式なFR車が求められている訳だ。

タクシーの使い方は独特だから、タクシーにまつわる話は色々あるので、機会があれば取り上げようと思う。




2013/2/10(Sun) Lexus HS 後期モデル<2>

今回はインテリアから。

写真ではインテリアカラーが違うために多少違って見えるが、インテリアも実は同じ。

シート形状や電動の調整スイッチもまたまた変更なし。

ここまで変更が無いのだから、インパネも同じなのは当然でもある。

ところが、エアコンのコントローラは良く見ればスイッチの形が違うなど、全くの使い回しでは無さそうだ。そしてオーディオについては、挿入口が一つ減ってダイヤルがプラスチックからシルバーのアルミ?に変更となっている。ところで、今回廃止された中央の挿入口はもしかしてMD?

モード切り替えスイッチも場所、形共に変わりはないが表示が変わっていて、PWE MODEはSPORT MODEに変更となり、EVのシンボルはEV MODEという文字表現となった。

メーター類は一見同じに見えるが、良く見ると目盛が少し荒くなったとか、ケバいブルーを止めて大人しい配色になったとか、最近のレクサスのトレンドである欧州志向になったようだ。

ということで、特に大きな変化は無さそうだから、特に試乗してみようという気にもならなかった。HSというモデルはレスサスのハイブリッド専用車としての使命があったのだろうが、トヨタブランドのSAIとの双子に近いクルマで、価格は数十万円高いという、結構売り辛いクルマだから、今となっては存在意義も購入する意義も思いあたらない。でも、まあ、買う人もいるのだろう。因みに2012年のHSの登録台数は約5,000台で、これはCR-Zとほぼ同数だからバカには出来ない。そしてSAIは約8,500台でオデッセイの約8,000台に小差で勝っているから、全くうれていなわけでもなさそいうだ。




2013/2/8(Fri) Lexus HS 後期モデル

レクサスのハイブリッド専用モデルである、HS250がマイナーチェンジ(MC)でフェイスリフトされ、後期モデルとなった。HSといえば、ぶっちゃけトヨタブランドのSAIのレクサス版であり、その比較はTOYOTA SAI vs LEXUS HS250h試乗記(2009/12)を参照願うとして、今回はこのMC されたHSを前期型と比較してみることにする。

エクステリアで気が付くのは、少し前までのトヨタ系のHVを表すクロームメッキの下品なフロントグリルが、最近のレクサスのアイデンティティとなったスピンドルグリルとなったことだ。

リアからみると、フロントとグリル程の違いは見当たらない。

細かく見れば、テールランプは形状は同じながら、内部のユニットは一新されてようだ。

トランクルームの中も敢えて比較はしないが前記型と全く同じだし、リアドア後部下端にある"HYBRID"のエンブレムにも変更なし。

 

そしてエンジンルーム内をみても、全く区別が付かないくらいに同じだった。

ブレーキを比較すると、ホイールのスポークが太いために写真では解りづらいが、同じキャリパーのようだ。まあ、エンブレムすら変更がないのだから、重要保安部品で確認試験が大変なキャリパーを変更する訳がないが。

ここまで、エクステリアを見た限りではスピンドルグリル以外に大きな変更点は無さそうだ。次回はインテリアを比べてみる。

つづく。




2013/2/7(Thu) クルマとパソコン

実はクルマとパソコンと言うのは意外にも共通点が多いと感じている。先ずは、どちらもマニアとかオタクという部類がいることで、まあどんなものにも物好きはいるが、それでも家電にマニアというのは存在しないし、昔は趣味の代表だったオーディオも今は風前の灯火で、アマチュア無線なんてオーディオ以上に廃れている。

そしてどちらも極端な改造マニアというかスペック追求マニアがいて、クルマでいえば主に国産上級車を目一杯チューンナップしてゼロヨンを競うとか、単にシャーシダイナモに乗っけてスペックを自慢するとかいうタイプのマニアもいるようで、旧マークU ツアラーVやアリスト V300などのターボの過給圧を目一杯上げて数百馬力、いや800馬力とか、まあその手の話を聞いたことがあったが、今はどうなっているのだろうか。

パソコンの世界でも、その手のスペックオタクに相当するマニアがいて、いわゆるオーバークロックという、言ってみればターボの加給圧を上げるのと同じようなものだ。しかし、パソコンもクロックを上げるとCPUがその分だけ発熱し、その冷却の為に標準とは違う巨大なファンやヒートシンク(放熱器)を付けることになる。そして、中には水冷化する場合もあるなど、まともな神経では考えれられないことをやるのもクルマとソックリだ。

他にもソックリなのがどちらにも怪しげなチューニングショップがあることだ。勿論、どちらにも特殊なマニアに支持されていて、独特な高度の技術を持っている、なんていうショップも在るだろうが、インチキ臭いのも結構ある。

このように似ている部分が多い両者だが、決定的な違いはパソコンの場合、製造するのも使うのも許可が要らないということで、しかもあらゆるパーツが販売されているから、自分で組み立てる自作パソコンなるものも存在する。それに対してクルマの場合は、日本では自作や組立キットというのは許可されないから存在しない。まあ、公道を走れなくても良いのなら可能だが。ここで「日本では」と明示したのは、イギリスなどでは組立キットも成立しているということで、ロータス7なんていうのは元を正せば組立キットだったというから流石に先進国だけの事はある。

  




2013/2/6(Wed) Porsche 928

先日、街中を歩いていたらば近所の駐車場に見慣れないクルマが‥‥‥。良く見ると、もしかしたら、ポルシェ928? 近くでみると、ヤッパリそうだった。

ポルシェといえば911だが、その911が時代遅れともいえる状況だった70年代の後半に、911の後釜として発売されたのが928だった。911の水平対向6気筒をリアに搭載するリアエンジンレイアウトに対して、4.5L V8をフロントに積むオーソドックスな2+2スポーツクーペで、性格的には911よりも高級なグランドツアラーというものだったが、928は決して成功作とはいえなかった。結局、911を改良して繋ぐしか無かったポルシェだが、それが功を奏して、いまの911黄金時代となったわけで、歴史は何とも皮肉なものだ。

928が最初に発売された70年代後半の価格は確か1千万円くらいで、それに対して911は約半値の数百万円くらいだったと記憶している。要するに911の2倍の価格帯という、従来のポルシェのポジションよりも上を狙ったことになる。今ではポルシェといえば高級スポーツカーの代名詞だが、911は元々フェラーリやランボルギーニなどの超高級クラスと比べれば価格的には約半値だった。あれっ?これって、考えてみれば、今でもこの関係は変わらないんじゃあないかな?!

 

ところで今現在928の中古は存在するのだろうか、と思ってネットで調べてみたらば、1987年くらいのモデル(5.0L)で50~100万円くらいで、1992年(5.0L)で250万円くらい、そして高い方だと350万円強で1994~5年モデル(5.4L)というところだった。まあ、こういうクルマは状態によって値段は大きく変わるし、安いクルマは整備代がかかるから、どちらが得とも言えないが。それに最終モデルである1992年型でも既に20年選手の訳で、これは1月23日の日記で紹介した旧NSXと価格も年式もほぼ同じとなっている。う~ん、なるほど。350万円あれば、往年のスーパースポーツが買えるということだ。ただし、20年モノだが!




2013/2/5(Tue) Lexus GS F Sport vs Crown Athlete<3>

今回はインパネの比較から。

先代までのGSはクラウンと共通の如何にもトヨタ臭いインパネだったが、FMCに際して欧州調というかBMWなどに共通の横長を基調としたタイプに変更となった。これはビッグマイナーを実施したLS も同様であり、マイナーチェンンジとはいえインパネは全く別モノとなったことからも、今後レクサスはトヨタブランドとは別の道を歩むようだ。

センタークラスターはGSの場合、最上段に横長基調のディスプレイを配し、エアアウトレットを挟んでオーディオおよびエアコンのコントロールパネルを配置するというBMW5シリーズを彷彿させるレイアウトとなったのに対して、クラウンはジャパンオリジナルでガンメタのパネルや極彩色のタッチスクリーンなど、求人類が喜びそうな如何にもクラウン的な物となっている。

ドアのインナートリムは意外にも雰囲気的には大きな違いはないが、デザイン自体は大きく異る。そして質感自体を比べると、やはりGSが上手のようだ。

エンジンの始動はどちらもインテリジェントキーとプッシュボタンによる。パーキングブレーキはGSが最新流行の電気式で自動化(勿論マニュアル操作も可)されているのに対して、クラウンは足踏み式で、しかも従来からの伝統であったリリースレバーによる解除が、今回からは踏む度にオン/オフを繰り返す、ワゴンRと同じ方式となってしまった。

ATのセレクトレバーはGSが最近の欧州車のようにレバーの根本にブーツを被せて一見MTのシフトレバー風のデザインとしたもので、これに対してクラウンは今となっては時代遅れの感もあるジグザグゲート方式となっている。

メーターについては大きく変わらないが、見た目の違いではGSの速度計のフルスケールが260km/hで、実際には180q/hでリミッターが掛かるので無意味なようでもあるが、見た目の雰囲気では大いに違う。なお、どちらも自光式ではあるが、以前のようにギンギラギンのセンス最悪というものから、随分とマトモになった。それでも、両車を比較するとクラウンの方が多少昔の面影を残して少し派手だ。

というように、3回に渡ってGSとクラウンの比較をしてみたが、最初から予想はしていたが、今回のGSは欧州調に振ったことと、その分クラウンは従来のトヨタ高級車路線という住み分けをハッキリさせたようだ。それにしても、国内でのレクサスチャンネルが始まった時点で、今回のGS¥くらいの内容だったら、少しは欧州車オーナーにアピールできたかもしれないが、既に後の祭りで、これからメルセデスやBMWオーナーを取り込むのは長い時間が必要だろう。実際にレクサスディーラーでは、顧客ターゲットを完全にトヨタを主とした国産上級車ユーザーと考えているようで、欧州車からの乗り換えについては全く期待していないようだ。

トップページでも予告しているように、既にGS350 F Sport に試乗済なので、近いうちに公開する予定だ。実は試乗タイミングとしてはクラウンの方が少し遅かったのだが、GSは発売から1年程経過していることと、既にGS250の試乗記を発表済なので、今回はクラウンロイヤルを優先して速報版とした。なお、クラウンは今後3.5アスリートに試乗したいと思っており、そうすれば今回の対決の実走行版が出来ると言う訳だ。

乞うご期待。




2013/2/4(Mon) Lexus GS F Sport vs Crown Athlete<2>

GS vs Crownの2回目は、ホイールの比較から。

フロント(写真上)はGSが235/40R19、アスリートが225/45R18とGSがワンサイズ大きい。
そしてリア(写真下)はGSが265/35R19で、アスリートはフロントと同じ225/45R18となる。
両車ともフロントには国産のアルミ対向ピストンキャリパーが装備されているが、ディスクローターは穴あきではない普通のタイプとなっている。
念の為に追記すると、GSは350 F Sportでクラウンはアスリート3.5だから、両車ともラインナップ上では最もスポーティーなグレードとなっている。

エンジン型式はどちらも2GR-FSE V6 3.5Lで、性能はわずかにGSが勝るが、事実上は同等と考えて良い。そして、エンジンルームの写真を見るとカバーの塗装色が違うが、それ以外には殆ど同じに見える。

室内はGSの場合、流石にカラーバリエーションが5種類と豊富だから、インテリアカラーが違うと雰囲気も変わるだろうが、写真のガーネットは結構派手だ。アスリートの場合は写真右下のテラロッサはオプションで、標準はブラックとなる。GSに比べてアスリートのインテリアカラーは2種類しかない。

シート表皮はGSが本皮が標準で付くが、写真のGSはレクサス得意のセミアニリン本皮(オプション)ではない。アスリートはクラウンとしてはスポーティーな欧州調の表皮で、ロイヤルの演歌調のベロアというオヤジ丸出しの素材とは差別化されている。なお、アスリートにもオプションで本革シートが用意されている。

シート調整はどちらも電動ではあるが、スイッチ部分の出来はGSの方が明らかにコストを掛けている。そしてサイドスカットルプレートはGSが"LEXUS"でアスリートは"CROWN"となっている。

ここまでのところ、質感では価格が200万円も高いGSの圧勝だが、VW high up!を買ってもまだお釣りがくる価格差だけのことがあるかは何とも言えない。

次回は引き続きインパネと操作系を中心に内装を見てゆく事にする。




2013/2/3(Sun) Lexus GS F Sport vs Crown Athlete

先代までは兄弟だったレクサスGSとクラウンだが、最新のFMCからGSは新設の専用プラットフォームを採用し型式も先代のS190系からL10系へと変更された。因みにクラウンの型式は先代がS200系で新型がS210系となっている。

さて、今回はこの2車を比較してみることにする。なお、グレードはGSがスポーティーに振ったF Sportでクラウンもスポーツ系のアスリートとし、写真はどちらも3.5Lモデルを使用している。

エクステリアを比べてみると、兄弟関係から決別したとはいえ結構似ている。

側面から比べるとアスリートは太いCピラーが目立ち、全体的に少し保守的だが、やはり基本的には似ている。特にテールランプがリアクオーターパネルまで三角に回り込んでいるとことなど、共通点も多い。

ここで例によって両車の諸元の比較をしてみる。

  

一新されたプラットフォームを持つというGSは、ホイールベースこそクラウンと同じだが、全幅とトレッドは30~40oも広くなっている。エンジンについては、2.5と3.5同士で其々同じ型式であり、性能は僅かにGSが上回るが事実上同一とみても良いだろう。

真正面から比べてみると、GSが最近のレクサスに共通なスピンドルグリルであるのに対して、アスリートはアウディのようなシングルフレームグリルとなってるが、基本的にはスピンドルグリルのイメージを使っている。

リアについても、テールランプの形状を変えているので違うイメージに見えるが、基本的には大きく変わることはない。ただしトランクリッドの開口ラインは、ほぼ水平のアスリートに対して、GSはテールランプの形状に沿って両端で上方に上がっている。

次回はホイール&ブレーキ、エンジン、そして内装へと進む予定だ。

つづく




2013/2/1(Fri) Lexus HS

レスサスのハイブリッド専用小型セダンのHSがビッグマイナーチェンジを実施した。
エクステリアでは従来のハイブリッド顔であるクロームの鉄仮面みたいなヤツから、最近のレクサスのアイデンティティであるスピンドルグリルへと変更されている。

   

既に下記の公式ビデオも発表されている。

   

上記のビデオを見ていたら関連ビデオとしてニューISのビデオも出てきた。

   

昨年から今年にかけて、レクサスでは大物モデルのモデルチェンジが相次いでいる。それにしても、レクサスチェンネルの国内展開を始めた時点で、最近のモデルくらいの出来だったらば、もう少し欧州車オーナーにも評価されたのだろうが、何しろ当時のISやGSなんて3や5シリーズと比較するなんて恥ずかしくてやってられない、というような内容だったから‥‥‥。



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