B_Otaku のクルマ写真館
 BMW 523i Touring

BMW のEセグメントセダンである5シリーズが FMC されて G30 となったのが今年 (2017年) の2月で、その後ステーションワゴンタイプのツーリング (G31) が追加となったのが6月だった。

先ずはスペックを比べてみると勿論基本的にはセダンと全く同じであり、要するにBピラー以降のボディーを変更してワゴンとしたものだが、その分の重量は当然増していてその差は 100㎏ にもなっている。そして価格差は 33万円で、これが高いか安いかは判断が難しいところだ。

なお比較表の車種はボトム側から2モデルとしたが、それでも 523i と 523d 価格差は意外に大きく、特に 523i のスタンダードモデルの買い得感が際立っている。

それでは何時ものように先ずは前後からその全景を見ると、フロントはBピラー以前はセダンと全く同じであり、下の写真ではリアクオーターウィンドウが僅かに確認できる事で辛うじてワゴンであることが判る程度だ。

BMW のワゴンはメルセデスベンツに比べると実用よりもスタイリッシュな点を重視している傾向があるが、そうは言ってもそこは Eセグメントの5シリーズだけあって、3シリーズのツーリングに比べればリアのオーバーハングも長く、よりワゴンらしさを感じられる。まあ元々ワゴンをワゴンらしく使うにはこのくらいにサイズが必要なのだ。

以上2017年11月26日掲載分


フロントビューはルーフのレールを見なければセダンとの違いは判らない。それにしても5シリーズは3シリーズより迫力がある! しかしその代償は 1,870㎜ という全幅で、これはファミリーマンションの立体駐車場には入らないから、場合によっては近所の民間駐車場を借りる羽目になる。えっ、機械式よりも平置きの方が安い、って? 確かに立体式は設備の償却費と保守費があるから高く付くかもしれない。

リアから見ても妙にセダンっぽいのは、ショルダーラインを僅かに後方に出す事でセダンのトランクルーム的に見せているからで、言い換えればワゴンっぽく無い!

サイドビューでは3シリーズツーリングよりもリアオーバーハングが長くワゴンらしいが、実は5シリーズ同士ではセダンよりも全長が 5㎜ 長いだけだから、要するに5シリーズ自体がリアオーバーハングの長いデザインとなっているのだった。

今回の写真のクルマのデザインラインは ”Luxury" であり、フロントフェンダーサイドにもそのようなエンブレムが付いている。650万円のスタンダードではなく 793万円のラグジュアリーだぞう、143万円も高いんだぞぉ~っ、ていうメッセージだ!

付け加えればエンブレムの下に見えるサイドエアアウトレットにもクロームメッキが施されている。そりぁ何てったってラグジュアリーっていうくらいだからねっ。

523i のエンジンは B48B20A 4気筒 2.0L 184ps 290N-m で、これは 320i のエンジンと型式も性能も全く同じだが、それなのに 523i っておかしいだろう? 520i って呼ぶべきだぞぉ~! 何とか言えよう。

その件につきましては、問題無いと閣議決定されました、って訳無いよなぁ‥‥。

トップカバーには "Twin Power Turbo" のエンブレムが誇らしげにある。このツインパワーターボを6気筒を3気筒ずつ2つのターボを使用して各タービンの負荷を減らしてレスポンスを向上させる "ツインターボ” と混同している例もあるが、まあ BMW の商標も間違い易いのも事実だ。

それでこのTwin Power Turbo っていうのは何かと言えば直噴と可変ジオメトリーという2つ、すなわちツインの技術を使ったターボという事らしい。

写真の Luxury のタイヤは 245/45R18 とスタンダードの 225/55R17 よりも大きく、ホイールのデザインはスポークの多い優雅なものになっている。

ブレーキキャリパーは BMW らしく片押しシングルピストンとショボいが、勿論性能的には十分だ (と思う) 。

以上2017年11月27日掲載分


ここからはインテリアを眺める事にするがワゴンとしての違いは勿論、前回の 523d はデザインラインが M Sport であったことから、Luxury vs M Sport としての比較も兼ねる事にする。

ドアを開けた段階でツーリングの特徴は当然ながらリアのルーフが水平であることで、それ以外はセダンと変わらず、特にフロントについては見分けは付かない。

室内の雰囲気に大きく影響するシート表皮は、Luxury ではレザーに白いアクセントラインが入っていて豪華と共にモダーンな雰囲気がある。対する M Sport はお馴染みのアルカンターラと専用ファブリックのコンビで、これはこれは中々良い雰囲気でもある。

シルプレートは其々それらしきモノが付いている。

ドアのインナートリムは実は M Sport も Luxury と同じで、唯一違いらしいのはステッチの糸の色が M Sport ではブルーとなっているくらいだ。以前のモデルでは M Sport のドアトリムはアルカンターラを使用して中々雰囲気の良いモノだったのに‥‥。

以上2017年11月30日掲載分



次にダッシュボードを見ると、実はこれも Luxury と M Sport は共通であり、毎回比較するのも面倒になったのでここからはツーリング Luxury の写真のみを使う事にする。

インテリアトリムはどちらも "プラライン・リッジ・ウッド・トリム/パール・クロス・クローム・ハイライト" という寿限無(じゅげむ) みたいに長い名称の、要するにポプラウッドにクロームのラインが入ったものが標準となっている。チョッと前なら M Sport といえばアルミのエンボス (ボツボツにしたやつ) と決まっていたが、新型5シリーズでは Luxury と同じ高級志向となっているのは、まあ、多分共通化によるコストダウンが目的だろうか。

センタークラスターは最上部に飛び出したディスプレイや目一杯上に付いているセンタークラスターの機器類など、最近のトレンドに従って極力ドライバーの視線移動を減らす設計になっているのは言うまでも無い。

インテリアトリムが同じなら当然ながらダッシュボード右端のライトスイッチ類も全く同じとなる。

そしてオーバーヘッドコンソールを改めて眺めると、そこは5シリーズだけあって1シリーズは勿論の事3シリーズと比べても質感では勝っている。そしてコンソールも勿論トリムまで含めて M Sport と共通だが、これってやはりオーナーに対するアンケートか何かで、アルミのボツボツが決して求められていないという事にでもなったのだろうか。

メーターはイグニッションをONにしないと文字盤は現れないが、メルセデスのようにフルディスプレイとは違いメーター自体はアナログのメカが付いているようだ。

そして盤面は カラー液晶ディスプレイ化されているので、モードによってデザインが変わるのも最近のモデルらしい。

M Sport との大きな違いはペダルであり、M Sport は立派なアルミスポーツペダルが付いているが Luxury では従来のウレタンパッドとなる。

さて新5シリーズのワゴンであるツーリングを中心に各部を眺めてきたが、まあ BMW らしく先行発売のセダンを見れば想定できる通りの結果だった。本当は百数十万円も安い 523i スターンダードモデルの内容が知りたいのだが、まあこの手のモデルは先ず展示車が用意されていないのが通例であり、今後運良く遭遇出来たならば写真を撮っておくように心がけておこう。何たって 523i ツーリングの 617万円という価格は 320i ツーリング M Sport の 592万円と 25万円しか違わないのだから大いなる買い得車だ。

以上2017年12月1日掲載分