B_Otaku のクルマ写真館
 BMW M2 Coupe (F22)

今でもマニア垂涎の初代 M3 (E30 1985年) に近いサイズの2シリーズクーペをベースとした高性能モデルには M240i が存在したが、丁度一年程前に本物のMモデルとなる M2 が発売された。その後昨年10月にマイナーチェンジを行い現在に至っている。

そこで先ずはM2 を含む現行2シリーズクーペと、そのベースである1シリーズの中でも最もベーシックなモデル (118i)のスペックを比較してみる。

M2 が M240i に比べて全幅が広いのは大きく張り出したブリスターフェンダーを見れば判る。実際に実車を見ると、やはり2シリーズクーペと比べて何やら迫力が違うのは間違いない。トレッドも広いところを見ればサスペンションが大幅に変更されているのだろう。

リアから見てもこのもっこりとしたフェンダーが目につく。全幅 1,855㎜ というサイズはポルシェ 911 カレラ Ph2 の 1,835㎜ よりも20㎜ 広いことになる。ただし見た目はそれ程でもないのは全高がポルシェの1,295㎜ に対して 1,410㎜ と高い事が原因だろう。まあこの辺はCセグメントのファミリーカーがベースという辛さだろうか。

以上2017年2月2日掲載分


フロントフェイスは写真の撮影条件の関係もあるが、それにしても妙にボディが膨れたおたふく面のように見えるのは、ブリスターフェンダーに繋がるバンパー両端が左右に膨らんでいる事も原因だ。

リアは左右から各2本出しの排気管が只者ではない雰囲気を醸し出している。

しかしサイドから見るとその寸詰まり感からこのクルマが1シリーズベースであることがバレてしまう。とはいえ先代の1クラスクーペ程にはかっこ悪くはないが‥‥。

ボディ側面フロントフェンダー部分とリアトランクリッド後端にそれぞれ "M2" のエンブレムがあり、M のみのナンチャってじゃないぞぉ~と主張している。

側面から見てもリアのブリスターフェンダーが結構過激なのが判るだろう。

エンジンは N55B30A で 3.0L ターボにより 370ps を発生する。まあ本来ならMというのは高回転型のハイチューン自然吸気だったのだが、これも時代の波でターボ化されているのがチョイと残念ではある。

エンジンのトップカバーには勿論 "M” のロゴがある。それにしても幾ら3.0L ターボとはいえ排気管の太さと本数はどうもハッタリっぽい気もするが。

エクステリアでは派手なブリスターフェンダーによる迫力と、1シリーズベースに起因してちょいと寸詰まりのカッコ悪さとが同居しているという感じだ。

以上2017年2月3日掲載分


フロントライトの拡大して見るとヘッドライトはバイキセノンタイプで自動光軸調整機構付きで、最近流行りのLED タイプよりも明るさ自体はキセノンの方が有利だからこれで OK 。なおスモールライトリングやアクセントラインは勿論 LED 方式となる。ついでにキドニーグリルの縦桟はブラック。

標準装備のタイヤ&ホイールはフロントが 9Jx19&245/35R19、リアが 10Jx19&265/35R19 でCセグメントとしてはとてつもなく大径だ。

伝統的にブレーキに金を掛けない主義の BMW ではあるが、最近は M モデルには M カラー (ブルー) に ”M” のマークが付いたブレンボ製アルミオポーズドキャリパーを装着している。ピストンはフロント4ポッド、リア2ポッドで、前後配分が 50:50 とはいえ制動時の荷重移動でフロント負荷が大きくなるためにフロントが大きな4ポットに対してリアは小さな2ポットで容量が足りる。

ドアを開けると標準でレザーインテリアが装着されていたりと、高性能である以上に高級である事が判る。

標準装備のシートもブルーコントラストステッチの入ったダコタレザーと、これまたBMW の高級車らしい。スカッフプレートには当然ながら ”M" のロゴがあるが、何故か M モデルなのに "M2" では無い。これじゃあナンチャッテMと間違えられそうだ。

ドアインナートリムも中心部分はシート同様にレザーにブルーステッチだが、外周はといえばイマイチ安っぽいのはボトムクラスである 1/2 シリーズが基本だからだろう。

以上2017年2月5日掲載分


実は今回は時間の関係でダッシュボード全景を撮る事が出来なかったが、サイドからでも基本的に2シリーズクーペそのものという事が判るだろう。勿論インテリアトリム等には M モデルらしい材質が使われてはいる。

センタークラスターやコンソールも 2シリーズそのままだが、勿論多少は異なっている。

M2 の大きな特徴は M モデル独特のセレクターレバーで、それと共に M2 のトランスミッションは DCT 方式が採用されている。もっとも M モデルで同様のセレクターが付いていても X5 M などの SUV ではトルコン式のミッションが使われているが‥‥。

メータークラスター内の計器類の配置なども M240i と変わらないが、この手の高性能モデルの定番である速度計のフルスケールの延長や M ロゴ付きの回転計などが目に付く。回転計は 6,400rpm からゼブラゾーンで 7,000rpm からがレッドゾーンだが、フルスケールは 7,500rpm で、これは1シリーズと同じものだ。ここはせめて 8,000rpm くらいまでの目盛りが欲しいところだ。

という事で、M2 の内外装を見てきたが、まあハッキリ言って生まれは BMW のボトムクラスである1シリーズだから、必死でセレブぶっても所詮は庶民の生まれ‥‥という成り上がり的なモノが感じられるのがチョイと辛い。

以上2017年2月6日掲載分

⇒ BMW M2 Coupe 試乗記 (2017/1)