B_Otaku のクルマ写真館
 Porsche 718 (Boxster & Cayman)



昨年ポルシェは 911 の大規模マイナーチェンジを実施してタイプ 991 はフェイズ2となり、エンジンを全て小排気量化しターボを装着するという、いわゆるダウンサイジング化を実施し、それに続きボクスターも今年夏に同様なダウンサイジング化を実施している。そして今回は一足遅れでケイマンも同様な変更が実施され、ボクスター同様に718ケイマンと呼ばれる事になった。

991のフェイズ2については
⇒ Porsche 991 Phase2 試乗記を参照願おう。

言うまでも無くケイマンはボクスターのクーペバージョンであり、下の諸元一覧表の数値は何を隠そう718ボクスターとケイマンは殆ど変わらない数値となっている。なお、718ボクスターについては既に7月29日からの日記にて取り上げているのでそちらも参照願いたい。またその日記ではボクスターとケイマンの価格が初期のボクスター<ケイマンから徐々に変遷して遂にボクスター>ケイマンとなった事を指摘したが、今回はケイマンのスペックも発表され、エンジンなどもボクスターと完全に同一である事が判り、それでもボクスターが40万円程高い設定となっている訳で、まあオープンモデルがクーペより高いのは当然であり、718ではその辺が真っ当な関係になった訳だ。

 *【注記】 718 ケイマン /ボクスターは 2017年6月の価格改定により約 30~40万円の値上げが実施されている。

それでは 718 の写真を紹介していくが、比較の意味でボクスターとケイマンを並べてみる事にする。

フロントフェイスは両車共殆ど同じだし、981 とも大きな違いは無い。それにしても 981 から採用された大きなリアのエアインテークは価格が3倍もする 911 ターボも真っ青なくらいで、オマケにドアパネルをえぐるようなラインは殆どスーパーカーもどきで、ポルシェのラインナップのヒエラルキーをぶっ壊しているようにも感じるが、そこは 911 のステイタスと性能に自信のある現れだろう。

そしてリアはと言えば‥‥

当然ロードスターのボクスターとクーペのケイマンではルーフラインは異なるがテールランプより下は殆ど共通のように見える。

以上2016年12月13日掲載分


それでは最初はフロントフェイスの比較から‥‥

全幅はどちらも 1,825㎜で全高はボクスター (1,280㎜) がケイマン (1,295㎜) よりも 15㎜ 低いが、写真を見て判るようにソフトトップのボクスターはウィンドウシールドの上端がルーフと同じ高さとなっているが、スチールルーフのケイマンはルーフが多少盛り上がっているためで、サスペンション関係は同じ高さのようだ。

この角度で見ると上記のルーフ以外はちょっと区別がつかないくらいに共通化されている、というか元々ルーフが有るか無いかだけの違いだから当然だが。

そしてリアービューは‥‥

これもルーフ以外、すなわちテールライトを含みそれ以下は殆ど同じだ。

標準装着のホイール&タイヤサイズとブレーキはグレードが同じならボクスターもケイマンも同じ。それでスタンダードはフロント235/45ZR18 リア265/45ZR18、Sではフロント235/40ZR19 リア265/40ZR19 とSがワンサイズ大きい。

ブレーキについてもスタンダードとSでは異なり‥‥

スタンダードは例によって黒いキャリパーでSは赤というのは同じだが、本来ボクスター/ケイマンのキャリパーは色こそ違うものの中身は一緒!というイマイチいんちき臭いものだったが、718 では見ての通りでフロントキャリパーを比べると明らかにSの方がサイズが大きい。

考えてみれば 718 S のパワーウェイト (P/W ) レシオは 3.9㎏/ps (ケイマンS MT、350ps / 1,380㎏) であり、これは 996 カレラの 4.6㎏/ps (1998モデル MT、300ps / 1,380㎏) を完全に上回っていて 997 カレラSの 3.8㎏/ps (2011モデル MT、385ps / 1,470㎏) とほぼ同等という性能なのだ。

ボルシェは加速の良いクルマほど減速 (ブレーキング) も良くあるべきというポリシーだから、997カレラSと同等の性能ならばブレーキも同等品が必要ということだ。ここで何故に減速度が大きくなるとフロントブレーキの強化が必要かとえば、減速度が大きいほどフロントへの荷重移動が大きくなるからで、リアヘビーのポルシェと言えどもこれだけの性能となると動的な荷重はフロントが大きく上回る。

それにしてもホンの5年前のカレラ、それもカレラSと新型718のSが同等性能というのは驚いた。

以上2016年12月14日掲載分


ドアが一つでしかも2シーターの 718 だからシートを中心としたインテリアの写真での比較は下の各1枚のみで事が足りる。

見ての通りでボクスターとケイマンではルーフに関わる部分を除けば共通であり、しかも 981 とも殆ど変化がない。718 と全く違う名称になったが言ってみれば事実上は 981 フェイズ2なのだから、911ならば 991 のフェイズ1と2の関係であり、極一部の除けばインテリアにも変更が無くて当然なのだった。

ドアのインナートリムもボクスターとケイマンでは共通であり、下の写真はケイマンSだがこれも 981 からの変更は無い。

ポルシェは原則として全てが注文生産だから、注文時には詳細なオーダーシートで仕様を決定するために、内装の材質や色などは実に多くの種類がある。下のボクスターはアクセントにレッドのレザーを使用している。なおレザー以外の場所の樹脂の質感はチョイとプラスチッキーな気もするが、それが気になるのなら全てをレザー貼りで注文すれば良いが、価格もそれなりに上昇する。

ダッシュボードやコンソールも 981 から大きな変更は無さそうに見える。

ただし 911 フェイズ2同様にナビが市販品のポン付けから専用のシステム化されたものに変更となった事と、コンソール上のスイッチ群から走行モード切替スイッチが無くなったという点が異なっている。なお走行モードの切替えは、これまた 911 フェイズ2同様にステアリングに付いた回転スイッチを使用するように変更された (写真左下) 。実はこの2つの変更は実用上は大いに有効で、これだけでも十分に新型の価値がある。

メーターについてはユニット自体は同じモノのようだが、718 の場合は回転計のフルスケールが 8,000rpm と 1,000rpm 低くなっている。これは981が自然吸気の高回転型エンジンであるのに対して、718は小排気量ターボという違いが一番判りやすい部分だ。

以上 718 についてその内容をザッと紹介してみた。

以上2016年12月15日掲載分

⇒ Porsche 718 Boxster 試乗記 (2016/12)