1969年の第16回東京モーターショーに参考出品されたギャランクーペGTX−Iの生産モデルが1970年10月に発表されたギャランGTOだ。
1965年に発売されたコルトギャランをベースとしたクーペで、そのスタイルはポンティアック風のフロントと、マスタング風のテールをもつ、正にアメリカンクーペの小型版だった。
このギャランGTOにはSOHC1.6ℓシングルキャブで100psのMT、同じエンジンをSUツインキャブと高圧縮比により110psまでチューンしたMU、そしてDOHC化とツインチョークソレックスキャブの2連装により125psのMRというバリエーションがあった。当時は未だOHVも多かった時代にDOHC+ソレックスキャブという構成は、正にマニアの憧れだった。
興味深いことに、この時代の日本では、なぜか世界的には極一部の高性能車のみで採用されていたDOHCエンジンが流行った事で、いすゞ117クーペ(後にべレットGTにも搭載された)、トヨタセリカGT、そしてギャランGTO-MRと、各
社ともフラッグシップスポーツはDOHC1.6ℓだった。
発売当時は、そのスタイルにいたく感心して、早速試乗に行ったが、当時の三菱ディーラーは免許取得後3年以上で無いと試乗をさせてもらえなかった。それに、勿論MRの試乗車なんてある訳も無く、あってもMUだ
。
GTOの名前は、その後バブル期に復活し、280psの4WDスポーツとして速さを競っていたのは、皆さんご承知だろう。
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