FERRARI 275GTB  

1960年代においてもスポーツカーの最高峰と言えばフェラーリだった。そのフェラーリのラインナップでも最も高性能なモデルと言えばGTBと呼ばれる2シータースポーツで1964年のパリサロンで発表された275GTBを紹介する。
1959年に発表された250GT SWDのレース用エボリューションモデルとして、ミッドエンジンのレーシングモデルである250LM(1963年)をGTカテゴリーとして認めさせることに失敗したフェラーリは、250GT Oでは宿敵シェルビー・コブラに歯が立たない事から 新たなマシーンを必要として開発されたのがベースモデルとしてストリート用の275GTBだった。

エンジンは V型12気筒SDOHC3.2ℓで最高出力280HP/7,600rpm、最大トルクは
30kg-m/5,000rpm。ボディは当時のレーシングカーやトップエンドスポーツカーの定番である鋼管スペースフレームを使用していたために車両重要は何と1100kgだからパワーウェイトレシオはなんと3.9kg/HPで、これは現代でも相当な高性能車だ。そして、トランスミッションはエンジンと分離されてリアのデフと一体化されたトランスアクスル方式の採用により前後の重量配分を適正に保った。この方式は日産GTRと同じ。何とフェラーリは約半世紀前にフロントエンジンの前軸重量軽減のために、この方法を採用してたことになる。 ブレーキはダンロップ製の4ピストンキャリパーによる4輪ディスク、ホイールはアロイディッシュと、これまた現代の高性能車と変わらない。

レースとしては1965年のルマンで宿敵コブラを破りGTクラスで優勝した。そして、1966年にはDOHC化した275GTB/4(300HP)へと進化する。しかし、同じ66年にランボルギーニから当時ではプロトタイプレーシングカーのストリート仕様ともいえるミウラが発表され、ポーツカーNo1の座が危うくなってしまう。